人は歴史「から」何かを学び取ろうと歴史「を」学びます。
ところが、研究者に言わせると、「歴史「から」学んだ」と言う人の理屈はかなり胡散臭く、実際に歴史「から」学ぶことは難しいものなのだそうです。
世間に普及し多くの人々に信じられている通説や伝承が、史実つまり実際に起きたかどうか怪しいものがたくさんある、そうです。歴史の研究者は、たくさんの史実を読み込んで、他の傍証から仮説を補強して、反論が一定期間なければ通説として定着する、、、という過程を踏むようですが、歴史をベースにした読み物を書く人がそういう地味な作業をすっ飛ばして仮説や伝承のまま、もしくは自分の想像をあたかも事実かの如く世間にばらまくのが問題なのだそう。義経の鵯越や信長の桶狭間を真珠湾攻撃の前に引き合いに出した山本五十六と言う人がいましたが、鵯越や桶狭間は史実ではなさそう、と言うのが通説になりつつあるそうです。中世史家の呉座さんの「陰謀の日本史」という本には史実を軽んじる例がいくつも出ていますがいつかこれも紹介しましょう。
歴史「から」学ぶ、学べるとすれば、それは「人間というものは愚かでいつまでたっても歴史を学ばず同じ過ちを何度も繰り返すこと」なのだそうで、逆説的ではありますが、それを知るだけでも歴史「を」学ぶ価値はあると言えるのかもしれません。
メーカの技術者から経営者に転身した筆者が、ひょんなことから学生時代に嫌いで苦手だった日本史・世界史をコツコツ勉強し始めました。その成果や歴史について思うところを脈絡なく書き綴ります。
2018年9月4日火曜日
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